年長になると、発達障害の子どもを育てている親たちは小学校就学に向けて調べたり、しておくべきことが沢山あるんですよね。普通級でいけるのか、支援級の方がいいのか、はたまた特別支援学校か…私も進路決定まで悩みに悩みました。
進路選択の手助けとなるのが、児童精神科などで受けられる発達検査や知能検査です。子どもの発達検査には色んな種類があって、3歳の時は新版K式発達検査でした。この時は幼稚園か保育園か障害児通園施設かで迷っていた時期です。
でも年長の6歳で勧められたのはウィスク(WISC-IV)という知能検査でした。K式発達検査よりも検査項目が増えるので、学校生活での得意や不得意を見つけるのに適しているそう。
娘が年長の夏に受けたウィスクの検査結果と、結果によって新たに発見したことを紹介します。
目次
6歳1ヶ月で受けたウィスク(WISC-IV)の結果
さて、一番気になるのがIQで、約2年前に受けた時よりも伸びているのか下がっているのか。今回のウィスクの結果はこうでした。
- 言語理解 IQ80→高
- 知覚推理 IQ76
- ワーキングメモリー IQ76
- 処理速度 IQ64→低
全検査の平均 IQ69
ウィスクでは、70~85までが知的ボーダーなので、お医者さんにははっきりとはいわれていませんがIQ69だと軽度知的障害に入ると思われます。
結果を知らされたときは、前回(DQ65)よりも単純に数値だけで見ると上がっていることが嬉しかったです。だってですよ、2年前は言語・社会という項目でDQ53だったんですよ!
それが今回は言語理解の項目がIQ80と飛躍的に伸びていたんです。
言語理解とは…耳から入った言葉を理解して言葉を覚える力
前回と今回とでは違う検査とはいえ、実生活でも言葉が増えたことは実感としてあったので、それが数値でも証明されたことが本当にうれしかったです。
でもでも、結果よりも大事なのは、娘の出来が良かった項目と悪かった項目をチェックして、どんな支援が必要かということを考えること!
4項目それぞれに2~3種類のテストがあり、どの問題にどれだけ答えられたかという所まで細かく見ることができました。次の章では、ウィスクの結果を4項目別に詳しく見ていきます。
ウィスク(WISC-IV)の結果を4項目別で見てみよう
ウィスクの特徴というのは知能を〈言語理解〉〈知覚推理〉〈ワーキングメモリー〉〈処理速度〉の4つの項目に分けて結果を導き出すところです。
娘の知能検査の結果を項目別に詳しく見ていくと以下のようになります。※6歳の時点での知能検査なので、年齢が上がるともっとやることが多くなります。
言語理解…耳から入った言葉を理解して言葉を覚える力
- 単語 試験官に与えられた言葉の意味を答える(試験官:これは何?娘:○○ など)
- 類似 2つの語の共通点を答える(試験官:ぞうときりんは何のグループ?娘:どうぶつ など)
- 理解 社会的ルールや日常的な問題の解決について答える(試験官:信号が青になったらどうする?娘:渡れる など)
言語理解指標は語彙概念形成(子供の語彙理解力)の全体的な測定結果を示し、環境から学んだ知識から影響を受ける。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より
知覚推理… 絵カードなどの目から入った情報の間違いや関連性を見抜く力。与えられた課題を手作業で真似する力
- 積木模様 娘は示されたモデルと同じように赤と白の積木を集めて並べる。時間制限あり。
- 絵の概念 娘は2、3行に並べられた絵を試験官に見せられる。1行につき1つづつ選んで、関連する仲間を探す
- 行列推理 1列に並べられた絵のうち1枚の絵が伏せられている。その抜けた部分に入る絵を5つの選択肢の中から選ぶ。
ワーキングメモリー…耳から入った情報を一時的に記憶しながら作業する力
- 数唱 耳から聞いた数列(1,2,3,4…)をそのまま復唱する、または逆さ順で答える
- 語音整列 娘はカードなどで数値や文字列が示されたら、あらかじめ指示された順番にに並べ替えて、その数値や文字列を試験官に伝える。
処理速度…目から入った情報を速く正確に理解する力
- 符号 ある符号に従って違っている行を見つけたら印をつける。
- 記号探し 娘には数行に並べられた記号と、選ぶべき記号とが示される。そして、各行ごとに選ぶべき記号があるかどうか考える。
- 絵の抹消 娘はランダムに並べられた絵の中から選ぶべき絵に〇をつける。制限時間あり。
ウィスク(WISC-IV)の結果を参考にして小学校に伝えたこと
全ての項目で平均以下なことは変わりないんですが、現時点で特に弱いのが処理速度(IQ64)ということが分かりました。そこをどう小学校にアピールするかというのが親の力の見せ所!
普段は口下手な私でも、検査結果を味方につけて娘の弱い部分を校長先生に相談しましたよ。
検査にあたってくれた臨床発達心理士の方によると、処理速度が弱い子は、
- 活動に十分な考える時間を与える
- 課題の量より質を重視
- 宿題やテストにおける時間の延長を認める
- 板書の内容を補足する、または板書に代わる分かりやすい方法に変更する
- 集中できる教室環境にする
- ICT(情報通信技術)の活用…タブレット学習など
上記が有効なんだそうです。めちゃくちゃ納得。
全て叶うとは思いませんが、こんな方法があるよっていうのを学校に示すことから始めてみてはいかがでしょうか。
ウィスク(WISC‐Ⅳ)で娘の発達凹凸がよく理解できた
ウィスクは6歳になったばかりだと結構難しいと聞いていたので、娘に受けさせるのが怖かったんです。でも、娘の発達の凹凸が具体的に分かって学校の先生にも「うちの子はこんなことが苦手なんです」って言いやすくなって、相談する時なんかにもかなり役に立ちます。
今後も1,2年に一回は受けて、その都度娘に必要な支援の手がかりを見つけたいなと思います。
なお下記の記事は小学校1年生の2月に受けたWISC-IVの結果です。