発達障害がある子供は時間感覚をつかむことが難しい!原因と対策を考える

ASDとADHDの娘のこと

朝、親が何も言わなくても子供が自分から起きて、支度して、朝ごはん食べて「いってきまーす!」って行ってくれたらどれだけ楽だろうと思ったことはありませんか?

発達障害があるわが子を見ていると、いかに難しいことか分かります。

自分から時計を見て間に合うように行動しようってことを何度教えてもできない。

「ほら!もうこんな時間だよ!ご飯食べて」「あと5分で家でないと!早く着替えて」と、親がせかさないと確実に学校遅刻してます。

でもそれって本人のやる気やしつけがなってないせいでもなくて、発達障害特有の時間感覚が関係しているみたいなんです。

多くの人と時間の感覚がちがうのなら、もう口で教え込むことは諦めて、視覚でわかるグッズを取り入れたら自分から動くようになって親が口出す頻度が格段に減りました!

なぜ発達障害だと時間を見て行動することが苦手なのかということと、時間感覚の困難さをカバーするための対策について紹介します。

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時間の感覚がつかみにくいのはなぜ?

「うちの子、全然時計見なくて困ってるんです」

放課後デイのスタッフさんに相談したら、朝登校する前はいつも遅刻ギリギリというのは

我が家だけではないようで、他の利用者さんからもよく相談を受けるそうです。

子供にとって時間感覚がつかめなくて困るのは朝の支度に限ったことではありません。

  • 友達との会話での間や、話が変わるタイミング
  • 「30分ぐらいで帰ってくるね」と言われて留守番で待たされている時間
  • 休み時間から授業が始まる前に鳴るチャイムのタイミング

定型発達の子供たちは、上のようなことは経験を積んでいけばいくほど、自然と時間の感覚を身に着けていけるのです。

しかし、ASDやADHDの子供たちは脳の性質上、経験を積んでも時間の感覚をつかみきれない

ということが2016年のアメリカでの研究によってわかっています。

6歳頃までの段階では、定型発達の子供でも会話のタイミングや時間管理がうまくいかないのは当たり前ですよね。

未経験のことばかりなんだから。

7歳ぐらいから10代にかけて、色んな人との関わりや時間を意識した生活を繰り返していくうちに、時間感覚がはかれるようになっていきます。

でも、発達障害があると「過去に経験を積んでいるはずの7歳から14歳ぐらいの子供であっても、時間の感覚をつかむことは困難」という結果でした。

ゆしこ
大きくなるにつれ、周囲の子との差が目立ってくるということですね

ASDもADHDも未来を想定することが苦手

時間感覚のバランスが取れている子は、未来(今後の予定)を頭の片隅で気にしながら現在(今)を過ごしています。

今するべきことに集中しながらも、未来の計画も忘れないでいることができる。先を見据えて時間配分を決めることができるのです。

対してASDやADHD傾向のある子は、未来をイメージしにくく今にしか意識がいかないことが考えられます。

今に没頭できることはいい面もありますが、予定や計画が立てられなかったり、時間管理が上手くできない困った状態にも陥りやすいということですね。

娘はASDでもADHDでもありますが、すぐに手が届きそうな目標じゃないとできないと思い込み、諦めてしまうところがあります。

どういうことかというと、たとえばすごく欲しいおもちゃがあるとしますよね。

おもちゃが欲しければ、一週間後の漢字テストで100点を取ったら買ってあげると私が言ったとします。

普通の子だったら、あと一週間もあるから100点をとるために勉強しておこうって思うでしょう。

しかし娘は、現在の自分の能力ベースでしか考えられないので絶対ムリ

という考えが頭から離れず、勉強に集中できません。

一週間後の未来が想像できないと、今やるべきこともみえてこないのです。

もし、おもちゃを買ってあげる条件が

明日の漢字の小テスト10問で100点取れたら

だとしたら、娘ははりきって漢字の勉強を始めることでしょう。

このように、想像できるごく近い未来じゃないとたとえ自分に利益があると分かっていても、何をしたらいいか分からず焦りばかりで行動できない、ということがよくあります。

発達障害の時間管理は視覚支援グッズでわかりやすく

発達障害だから時間の感覚が弱いということが分かっても、ずっと親が子供の時間を気にして教えてあげているままでは、いつまでも子供の自主性が育ちません。

言う親も言われる子供もストレスを減らして日々を暮らしやすくしたいと思い、時間管理に役立つ視覚支援グッズをを2点購入しました。

おうちの時間割ボード

マグネットを裏返すと「できた」という黄色の札がどんどん増えていくのが楽しいようです。
やることが終わっていないのにボーっとしているときも、「時間割ボードの全部やった?」の一言で自分からやるべきことを確認して動けるように。
札がマグネットでできているので、その日の予定によってつけたりはずしたり子供だけで簡単にできます。

残り時間がわかりやすいダイヤル式タイマー

19cm×19cmで大きく目立ちます。小さいサイズもありますが、すぐどこへ行ってしまいそうだったので。

時にはテレビ台の横に置いて「今から30分ゲーム」、時にはテーブルの上に置いて「15分で宿題」など、色んなシーンで役に立ちます。

タイマー中は気になって娘なら何度も見るのかなと思っていましたが、タイマーをかけているにもかかわらず全然見ていなくて「本当に時間を意識できているのか?」と疑問に感じることもありました。

やっと見たのが残り時間わずかになった時で、残り3分前から急に焦り出すあたり時間配分を自分で考えて宿題をすることができるのはまだまだ先かなと思いました。

でもタイマーがないよりもあった方が、宿題中の離席は少なかったです。

静かな室内だと秒針の音がチクタクが響きますが、子供たちは意外と気にならないようです。

チクタクが気になって集中できないという場合は、音量を小さくするべきですが、我が子はチクタク音が「時間を測ってるんだ」という意識ができて逆によかったと思います。

時間が来るとジリリリと音が鳴ってすぐに止まり、うるさくないのがいいです。

時間感覚の弱さは道具でカバー

ちょっとしたアイテムですが、あるのとないとでは大違い。

時間割ボードを使い始めてから朝も遅刻ギリギリだった娘が、朝起きて自分から顔を洗い、ハミガキをして、自分が決めた時間通りに家を出ることに2日連続で成功!

タイマーは自分から使うといって、動画を見る時間を自分で決めてタイマーが鳴ったらパッと見終わることができました。

時間通りにできた!という自信が出ると、もっと自分で考えてやってみようという子供の意欲にもつながります。

ハンデがあっても視覚支援グッズを上手く活用して、少しでも暮らしやすくなればいいなと思います。

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