チック症といえば、顔や体の一部がぴくっと動くクセのようなものかと思っていました。
そしてそのクセは本人のストレスから来ているんだろう、と勝手に思い込んでいました。
でもある時や娘や息子にもチック症と思われる行動が現れ始めたんです。
娘は咳、息子は首振りで、どちらも小学2年生から出始めました。
息子はいつのまにか治まりましたが、娘の咳払いはまだ続いています。でも今はあまり心配しないで見守るだけです。
私がそう思えるようになったのは、この本を読んだおかげです。
目次
意外に知らなかった!チック症の真実
チック症について知らない事だった私。子供がチックによる咳や首振りが見られるようになって調べてみると、チックのホントのところが分かってきました。
チックは心の問題ではない
チックが現れ始めたら親は「ストレス?」と心配してしまいますが、本にはチックは心因性ではないとあります。
原因はチックを起こしやすい脳のしくみだから
という考えが学者の間の新常識となっています。
また、家族や兄弟でもチックが起こりやすい傾向があることから、チックになりやすい体質が遺伝することもあるともいわれています。
発達障害と同じで根本的な原因は、親のしつけや本人の性格ではないということですね。
ただチックになりやすい素質を持つ子が、幼稚園や学校でのストレスが引き金となって発症することはよくあるようです。
- そもそも発症しやすい時期(6~10歳)であること
- 卒園や就学、クラス替えなどの緊張するイベントがあること
上記の2つのタイミングが重なることで、チックを誘発することにつながるとのことです。
発症年齢は?男女差は?
大部分が10歳までに発症し、発症年齢の平均は6.7歳です。息子と娘、ドンピシャですね。
チックの男女比は3:1とされています。やっぱり娘はマイノリティ・・・
子供の10人に1~2人がチック症を体験
4~11歳ごろに発症する子が多く、12歳ごろになると症状が落ち着いてくるケースが多いといわれています。なので、幼児から小学生の間にチック?と思われる行動をしたとしても、過度に心配する必要はないです。
12歳以降も慢性化している、ひどくなっているならその時に対応を考える必要がありそうです。
チックが出やすい場所は?
緊張が高まってきたり、緊張から解放された時に出やすいので外よりも意外と家庭でばかりチックをしているというケースも多いようです。
緊張した後でリラックスできる家庭でチックが増えるというのはむしろ普通のことなので、無理やり止めようとするのはかえってよくないです。
娘の場合夏休み中はチックの咳が出ていなかったのですが、新学期が始まる直前になるとチックが出てきたんですね。
心因性じゃないといっても、本人の気持ちの変化によってチックが出たり治まったりすることはあるんでしょうね。
チック症の種類
一口にチックといってもたくさんの種類があります。一見「これもチックだったの?」と気づかないものも。娘の咳払いも最初は風邪かと思ったら、ずーっとやってて気づくのに時間がかかったぐらいですから。
まず、大きく分けてチックには「運動チック」と「音声チック」があります。
運動チック・・・まばたきをする、目を回す、白目をむく、鼻をヒクつかせる、首をグイっとひく・回す など
音声チック・・・咳をする、鼻を豚のように鳴らす、「アッ」「ウッ」と突然声を出す、「ウォー」と吠える など
赤字は息子と娘が実際になったチック症状です。どちらにしてもチック症を引き起こしやすい素質を持っていたってことでしょう。
上記の症状は軽い方で、もっと複雑なチックもあります。
たとえば飛び跳ねる、人や物にさわる、物を叩く、汚い言葉を発する、他の人が言った言葉を繰り返す(エコラリア)等。
これらはチックと判断するのは難しいので、小児神経科などの医療機関を受診されることをおすすめします。
子供がチック症になった時親はどうしたら?
チック症のほとんどは一過性のもので1年未満に収まる場合が多いそうです。
その点を分かった上でなるべくチックを長引かせたり悪化させたりしないように、親は前向きに子供が生活できるように支えてあげてください。
薬物療法という手段もなくはないですが、重症でなければ基本的に医者は勧めてこないと思います。
基本的に親がサポートしてあげられることは下の2つです。
- 本人や親がチック症のことを理解する
- 不安や緊張が和らぐ環境を作ってあげる
本人や親がチック症のことを理解する
チックの多くは長く続かないことや、心の問題ではないということを知っているのと知らないのとでは大違いですよね。
もちろん親が厳しくしつけすぎたからとか思い悩む必要はありません。
子供が何回も同じ行為を繰り返していて違和感を感じたら、不安な気持ちをそのままにしないで本やネットで調べるなり、医者に相談しに行くなりしてもやもやを解消しましょう。
子供に不安なまま接していたら、子供にも親のイライラや不安な気持ちが伝わり悪循環になります。
不安や緊張が和らぐ環境を作ってあげる
チックはわざとしようとしてやっているのではなく、無意識にしているためやめさせようとして叱っても全く効果がありません。
だからといって、チックが続いているのに見て見ぬふりや本人の存在を無視するというのもおかしな話。
「大丈夫?」「心配ないよ」など”あなたのことを気にしてるよ”っていう気持ちを伝えてあげるだけでも落ち着くかもしれません。
また、学校や習い事で本人の能力以上の課題が出たり、期待があるとプレッシャーからチックが出ている可能性も考えられます。
自分の限界に気づかずに頑張り過ぎてしまう子は、親が習い事や宿題の量を調節してあげる配慮が必要になります。
親だけじゃなく、教師や保育士など子供にかかわる大人たちへ子供の特性を分かってもらうことも大切です。
詳しくは「チックする子にはわけがある」をチェック
大まかにチック症についてまとめてみましたが、私が参考にした本にはもっとチックについて詳しく書かれてあります。
- チック症に悩まされた人たちの体験談
- なぜ小児期にチックは発症するのか
- なぜ複雑チックではないチックに薬物療法は必要ないのか
- チック症状のある子を「優しく育てる」ことの弊害
など、盛りだくさんの内容なので、チックについて詳しく知りたい方は手に取ってみて下さいね。
うちの方も2学期前に始まった娘の咳払いがまだ続いていて、いつまで続くのかという心配はなくはないです。
分かっていてもコンコンされるたびに「また出た」と心の中で思ってしまいますね。
ですが止められないものにイライラしてもしょうがないと割り切って、注意深く娘の様子を見ていきます。