こんにちは!ゆしこです。
軽度知的障害の娘は現在小学1年生。勉強面だけじゃなくて運動面でも不器用なところがあります。
そんな娘が5歳から2年間やっていた療育の一つが「運動療育(PT)」です。やらせたきっかけは、元々体を動かすことが好きだったこともありますが、多くの子どもが自然に出来るようになるスキップやケンケンがなかなかできなくて心配だったことから申し込みました。
運動療育に年中から小学校に上がるまでの2年間続けたことによって、現在ケンケンやスキップはクリアし、その他にもできることが増えました。
そもそも運動療育って何?というところから、娘が運動療育でしたメニュー内容や、発達障害の子が始めることで期待できる効果について解説します。
目次
運動療育って?発達障害の子がやるメリット
発達に遅れがある子には運動をさせるのが良いって聞いたことありませんか?娘も3歳から療育を始めましたが、医者や心理士さんから「粗大運動が脳の発達を促す」みたいなことをよく言われていました。
具体的に運動療育をすることで、発達障害の子にどんなメリットがあるのかを以下にまとめてみました。
体を動かすことで脳が刺激される【感覚統合】
発達障害の子は、1つの動作を同時に行うというのが苦手な子が多いといいます。たとえばボールを受け取ることで例えると、
- ボールを目で追う
- 落下地点を脳で判断する
- 腕を受け取りやすい位置に伸ばす
など、瞬時に色々な動きをしなければなりませんよね。普通の人は感覚的にできることですが、発達障害の子は脳の機能の問題で一度に複合的な動作をするのが難しいという場合も。
このように、脳と筋肉は密接に関わっていて、体の筋肉は脳からの指令で動いています。運動療育のプログラムは、「脳からの指令により筋肉を上手く動かせるようになる」という感覚統合を促すことを目標に作られています。
たとえば、先生が体操をしているのを見て真似をしてみる、音楽のリズムを聞きながら動くなどの運動は、脳と筋肉の感覚統合に効果的といわれています。耳や目と手足を同時に動かす体操は、体の色々な部分を一度に動かすことによって、脳にも刺激を与えているのです。
体操やリズム運動などを繰り返し続けることで、体を自分が思うように動かせるようになるというのが運動療育の大きな目的です。
日常的な動作や体力の向上にも効果的
運動療育は運動能力のアップだけではなく、日常の困難な作業や体力の向上などにも効果が期待できます。
体幹が鍛えられる
発達障害の子の中には、筋力が弱くて良い姿勢が維持できないという子も少なくありません。運動療法を続けていくことで筋力がつき、猫背や姿勢の悪さが解消したというケースも。
日常のなにげない作業が上手くいく
ハサミを使って紙を切る、お箸で物をつまむなどの手先を使う動きが苦手という場合も、感覚統合が上手くできないところから来ている可能性があります。手先を動かすトレーニングのほかに、体操などの粗大運動も取り入れることで、物を掴んだり動かしたりする力加減が上手くいくこともあります。
体力がつく
現在の子どもたちは昔に比べて、自由に体を動かして遊ぶ環境が少なくなっていますよね。運動が苦手な発達障害の子は、親が楽しく体を動かせる場所を探してあげる必要があるのではないでしょうか。運動療育で体を動かす習慣をつけてあげることによって、体力や柔軟性の向上につながります。
優劣がないため自己肯定感が上がる
一般的な習い事は勝ち負けが決まるものも多いのに対し、体操メインの運動療法は個人それぞれに合わせた目標が設定されるので、自分のペースで無理なく取り組むことができます。スモールステップで目標が達成出来た時、自己肯定感が高めることにもつながるでしょう。
また、1人で目標に向かって取り組むこともあれば、他の子と体を動かすゲームを楽しんだりすることもあるので、そこで協調性や社会性を学ぶ機会にもなります。
運動療育の内容【娘のケース】
運動療法を始める前までは脳の発達には運動が良いという意味がいまいち分からず
なんで運動?言葉が全く出てないんだから運動よりも言葉を教える方が先でしょ?
って感じで半分信じてなかったんです。運動療育のメリットがよく分からないまま、運動療育のキャンセル待ちしてた所が空いたとのことで試しにやらせてみることに。
5歳の時の療育内容
- リズムに合わせてケンケン2回
- スキップができる
《具体的な支援内容》
- 職員が手をたたき、そのリズムで左右2回ずつケンケンをする
- 最初はゆっくりなテンポで、慣れてきたらスキップに近いリズムに変えて繰り返し練習
- ゲーム中にもリズムを取り入れ、楽しみながら取り組めるようにする
6歳の時の療育内容
- 縄跳びを連続で10回飛ぶ
- キャッチボールがスムーズにできる
- ルールのある運動遊びを理解して取り組むことができる
- 1分間でひっかからずに5回連続で縄跳びを飛ぶ
- 縄を回しながら両手ジャンプで5回飛び越えることができる
- キャッチボールで落とさずに5回キャッチ、投げることができる
- しっぽ取りで時間内に友達のしっぽを3本以上取ることができる
《具体的な支援内容》
縄跳び
- 縄跳びは職員がリズムをとったり見本を見せながら繰り返し練習する
- 飛ぶタイミングをつかめるようにジャンプしながら手拍子をするトレーニングをする
キャッチボール
胸のあたりにボールを投げるように伝え、落とさずに取る練習を繰り返す
しっぽ取り
- 少人数で始めは職員も一緒に参加し、しっぽの取り方や追いかけ方を教える
- 徐々に人数を増やしていき、時間内に3本以上のしっぽを取ることができるように様子を見ながら支援する
運動療育を2年間続けて良かったこと
- スキップやケンケンは半年でできるようになった
- トータル1時間半で準備運動から体操、ゲームと結構ハードなので体力がついた
- 親が教えるとすぐにすねてやりたがらない縄跳びも、先生と一緒ならまじめに頑張れた
- しっぽ取りをはじめ、色んなゲームを取り入れてもらったことで、幼稚園や小学校の遊びの中で皆と同じように参加することができた
- ボールの受け取り方が上手になった
- 幼稚園の運動会で大縄跳びを飛び越えられた!←親的には一番うれしかった
縄跳びやボール遊びのほか、鉄棒やマット運動など色んなことを盛り込んでくれたので娘も楽しく続けることができました!
ただ縄跳びは努力だけではなかなか難しく…現在(小1)も1回飛べたらいい方です。でもゆっくりでも出来るようになることが分かったので、縄跳びもいつかはできるはず!と信じております。
運動療育は早くから始めるのがおすすめな理由
小学校に入学してからも運動療育は続けたかったのですが、残念ながら申し込むのが遅くなりキャンセル待ちのままです。その代わりに幼稚園から続けていたスイミングは週一回マイペースで続けています。
なにか劇的に変わったということはありませんでしたが、結論としては5歳の時に運動療育をやってて良かったなって思います。
これもあとから知ったことなのですが、子どもには成長過程があってスキャモンの成長曲線を参考にみてみると、6歳までに成人の神経機能の90%まで完成すると言われています。
つまり、この時期に運動をたくさんすることで、その後もスポーツの動きを覚えることが早くなる効果があるというのです。神経機能は脳にも関係しているので、運動は脳の発達の面でも良い影響を与えてくれるのだそうです。
現在娘は7歳、既に90%神経機能が完成してしまっているようですが(涙)、筋力や心肺機能はまだまだ発達途上なので、今後も積極的に身体を動かす習い事や療育を続けていきたいです。