「保育所等訪問支援」って?発達障害が幼稚園の先生に理解されない時に役立つ支援サービス!

障がい者向け福祉サービスについて

「保育所等訪問支援」って聞いたことありますか?娘が加配付きで保育園に入園した時、何か困ってることないかな?先生にちゃんと見てもらえているかな?って毎日不安でした。自分からヘルプが言えない子だったからなおさらです。

そんな時に発達支援センターの支援員に「利用してみたら?」と勧められたのが保育所等訪問支援でした。

障害児ママたちの間では賛否両論ある制度のようですが、うちは利用してほんとに良かったので、保育所等訪問支援とはどんな制度なのかということと、利用するメリットとデメリット、利用までの流れについて紹介します!

利用する前と後で、保育者と娘との関係にどんな変化があったかについてもまとめたので、ぜひご覧ください。

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保育所等訪問支援とは

保育所等訪問支援とは、障害がある子どもが普段生活している幼稚園や保育園、小学校などの施設で、集団生活に適応できるように支援するサービスのことです。

専門的な知識を持つ支援員に、子どもが通っている保育園や幼稚園に訪問してもらいます。そして、子どもの普段の様子や保育者の教育方針が、子どもの特性に合っているのかということをチェックしてもらえます。

「専門的な知識を持つ」支援員って?

障害児支援に関する知識及び相当の経験を有する児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士又は心理担当職員等であって、集団生活への適応のため専門的な支援の技術を有する者

「児童福祉法に基づく指定通所支援の事業の人員、設備及び運営に関する基準について」(平成 24 年 3月 30 日)

どんな支援をしてくれるの?

支援員は、訪問先の幼稚園や小学校で自ら集団活動に加わって、自然な形で子どもや周りの子どもたちと関わりながら、支援の方向性を見つけていきます。

ゆしこ
娘は遊んでくれる先生が増えたとしか思ってなかったから、普通に楽しかったみたい

集団に馴染めていなかったり子どもに困りごとがあることが分かったら、子どもの特性に着目するだけではなく、保育者に対して関わり方のアドバイスをしたり、子どもが分かりやすいように環境を見直す(視覚支援など)ことを提案してくれます。

つまり訪問支援のメインは先生の意識改革といえるでしょう!

訪問支援の頻度はどのぐらい?

訪問の頻度は特に決まりはなく、子どもによって1ヶ月に1回、学期に1回、年に1回だったりとバラバラです。環境に適応できていない最初は短期間で、集団生活に適応できてきたら期間を空けて新学期が来てから再度訪問するなど、柔軟に対応してもらえます。

保育所等訪問支援のメリット・デメリット

私が感じた保育所等訪問支援のメリットとデメリットは以下の通りです。

メリット

  • 保育者は子どもの特性や困り事をより理解することができる
  • 子どもの自己肯定感が上がる
  • 保育者への信頼感が高まり、保護者は安心して子どもを任せられる

幼稚園や学校の先生は、大勢の生徒を基本一人で見なければいけません。大人しくて困っている事を口で上手く伝えることができない子は、後回しにされがちです。でも訪問支援で専門家に「この子には支援が必要なんだよ」ってことを保護者の代わりに言ってもらえると、先生は放っておけないはず。上手くいけば…

訪問支援後、先生が適切な関わりを心がけるようになる⇒子どもの自己肯定感が上がる⇒生き生きしている子どもを見て保護者は一安心

という風になります!

デメリット

  • 訪問支援員の訪問日・面談日の訪問日時を調整するのが大変
  • 利用したいと思ってから利用開始まで時間がかかる

デメリットと感じたところは、支援内容というよりも支援までにかかる時間や手間という部分が大きいです。

訪問日を学校や幼稚園と支援員さんとのスケジュール合わせや、訪問支援の後の面談日を決めるのがなかなか決まらないことも。フルタイムで働くお母さんだと、時間を作るのが大変かもしれません。

そして、利用したいと思ってもすぐに利用できる訳じゃないというのも問題点。保育所等訪問支援がなかなか広まらない一因かと。利用開始までの流れは以下を参考にしてください。

保育所等訪問支援利用までの流れ

保育所等訪問支援の申込から利用までのステップをまとめました。

  1. 保護者が市町村の相談窓口(市役所の障害福祉課や、発達支援センターなど)に利用したいことを伝える
  2. 相談を受けた市町村の事業所は、子どもが通っている幼稚園や学校に普段の子どもの様子を調査、訪問支援の必要性があるかを判断する
  3. 必要性があると判断されたら訪問支援開始に向けて、保護者は担当者に「子どもが普段の集団生活でどういったことに困り感を感じているか」を詳しく説明する
  4. 保護者や子どもの意見をもとに、担当者は障害児支援利用計画を作成、市町村にサービス支給の申込み
  5. 支給決定後、保護者のもとに受給者証が届く
  6. 後日担当者から重要事項説明書の説明があるので内容を確認し署名・捺印、続いて子どもの具体的な支援内容についての説明を受ける
  7. 訪問事業所と通っている施設(幼稚園など)に訪問日の相談・決定
  8. 訪問支援員が幼稚園や学校を訪問し、子どもの様子を観察。直接子どもと関わり合いながら適切な関わり方を探る
  9. 後日訪問支援員は、保護者と幼稚園や学校の先生に子どもの発達課題や支援方法についてアドバイスする
すでに受給者証を持っている場合、(6) からになるのでサービス利用はスムーズです。持っていないと、受給者証を発行するまでに1ヶ月程度みておく必要があります。 

実際に通っている幼稚園で保育所等訪問支援を使ってみた【娘のケース】

娘が年中で保育園から私立幼稚園に2年保育で入園した時に、中の様子が分からず不安だったので保育所等訪問支援を利用してみました!訪問日は入園してまだ1ヶ月の5月中旬ごろです。

相談内容
  • 自由時間になると何をしていいのか分からずぼーっとしていることが多い
  • 緊張している様子で自分から他のお友達に話しかけられない
  • 困っているとき(トイレに行きたい、次に何をするのか分からない)に自分から先生に言いに行けない

相談内容から、理学療法士や作業療法士の方よりも言語療法士の方の方が最適ということになって、保育士資格を持つ言語療法士の方に訪問支援をお願いすることに。

ゆしこ
今の娘の困りごとに合った専門家の人に見てもらえるのは心強かったですね

訪問支援員の人と他の子たちと楽しく遊ぶ娘

訪問支援中の様子を教室の外からちらっと見させていただいたのですが、訪問支援員は普段の自由遊びの時間に自然に参加する形で、娘や他の子どもたち、先生の関わり方を観察されていました。

訪問支援員が自ら先生の見本になって、幼稚園の先生に見せてくれてるようでありがたかったです。幼稚園の先生のことを疑っていたわけではないですが、どうしても娘の表情が暗いのが気になっていたので…。

訪問支援のあとのアドバイスで先生が変わった!

後日、私と幼稚園の先生、訪問支援員との3人で今の娘の様子や今後の支援方法についての話し合いがありました。

幼稚園の先生は、娘の特性のことを理解したうえで入園を許可してくれたので、「分からないことは教えてほしい」というスタンスだったので助かりました。年中さんは1クラスだけで、21人に対して2人担任がつくという手厚さから選びました。

私立といってものびのびした幼稚園で、子どもの自発的な活動を重視しているため先生から「あれしなさい、これしなさい」とは言わずに見守る感じです。

でも環境にまだ慣れていない娘にとっては何をしたらいいのかわからないという困った状況だったみたいで。

自分から何したらいいか、先生に言いに行けばいいのですが他の子どもたちが大勢いる中で

  • 言い方が分からない
  • 言うタイミングが分からない

で、結局フリーズして話しかけられるのを待つだけみたいな。

そんな娘を支援員さんは理解してくれて、「自発的な行動は今の段階では厳しい。個別での声掛けが必要ですね」ってはっきり伝えてくださったのです!

保護者からじゃなくて、第三者の専門家からの意見というところがポイントです。

発達障害が周囲に理解されないと思ったら

訪問支援の前と後では、明らかに娘に対する先生の目のかけ方が変わっていました!黙って見守るからこまめに声をかけてくれるようになったみたいです。娘も困ったらこの先生に言ったらいいという風にだんだん理解し、園生活に次第に慣れていくことができました。

訪問支援員の方もいかにも観察しているという雰囲気じゃなくて、飛び入りで来てくれた優しい先生みたいな感じでした。

やらずに悩むよりはまずやってみることが大事。先生に上手く子どものことを相談できないお父さん、お母さんも保育所等訪問支援、おすすめです。

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