娘が広汎性発達障害と診断されたのは3歳のころ。その後ASDとADHDという診断もつきました。
2歳差育児と娘の療育やなんやらに追われて、自分のことは二の次だった私ですが、下の娘が小学生になってからは自分自身のことに目を向けられるようになってきました。
以前娘の主治医に「自分の子供が診断されたことがきっかけで、親も自分の発達障害に気づくことが多い」と言われたことが引っかかっていたので、試しに私もかかりつけの心療内科でADHDのテストを受けてみることに。
すると…私自身が33歳にしてADHDであることが発覚したのです。
娘がADHDなので子供のADHDについてはある程度の知識はありますが、大人のADHDについては無知な私。
なので私なりに大人のADHDについて少し調べてみました!
そして診断してもらおうと思った理由や、診断が出て思うこともまとめました。
目次
なぜ大人になって診断してみようと思ったか
「生きづらいと思ったら大人になって発達障害ということが分かりました」というフレーズ、最近よく見かけますよね。
私が子供だった時よりも発達障害という言葉に抵抗がなくなっているように感じます。
自分の子供が発達障害だからというのもあるでしょうが、もし自分に診断がついたとしてもショックを受けない自信があったからです。
そのうえ私はすでに2年以上前から心療内科に通院中。
診断名は社会不安障害といってADHDと併発することも多い精神疾患です。
それに私ももしかしてADHD?と思うふしがあり、せっかく心療内科に通っているならこの際はっきりさせてしまいたかったので。
- 家の中で物をよく失くす
- 出先で物を落とすことがよくある(財布・スマホ・定期券など)
- カバンや引き出しの中の整理整頓ができない
- じっと座っているのが苦手でそわそわしてしまう
- 待ち合わせにはいつもギリギリ
- 仕事の作業など1度聞いただけでは覚えられない
など、パッと思いつくだけでもこれだけあります。
周りからは天然・ぼーっとしてる・人の話聞いてる?と昔からよく言われてきましたね…
でも勉強が分からなくて困ることはなかったので、子供の頃は「勉強ができる子」「大人しくて落ち着いた子」と思われていた時期もありました。
親に勧められて習い事をたくさんやっていたので(ピアノ・習字・英語・スイミング等)家族からの評価はそんなに努力しなくてもそこそこできるから要領がいい子と言われたり。
このように褒められて育った訳ですが、高校生になって始めたアルバイト先で私の自尊心がズタズタにされます。
スーパーのレジ打ちや品出しを任された私は、必死でメモをとって一つ一つの作業を覚えようとしていました。
周りの同時期に入った子達は次々と仕事を覚えていくのに、私は全然頭に入らなくて。
レジ画面の配置や商品の位置、商品の保管場所など、同時に覚えることが多すぎて頭の中は大混乱。
集中している時に別の事を指示されると頭が真っ白になりフリーズしてしまう→分からないことはすぐに聞けと怒られる→怒られたことをひきずって集中力低下→レジの打ち間違い→また怒鳴られるの繰り返し。
集中しなくちゃと思うほど周りの目が気になって、他の人よりシフトを増やしてもどんどん追い抜かれて、最後には店長にクビ宣告されてしまいました。
物覚えが良いと自負していた私はもうボロボロで、彼氏(現在の夫)に毎日電話で泣きながらもう無理、辞めたいと愚痴っていました。
この経験からやっと気づきます。テストでいい点をとることと仕事ができるのとでは全く別物だということに。
スーパーのレジはクビになってからも懲りずに別のスーパーでも働きましたが、やっぱり上手く行かず、クビになる前に自分から大学受験を理由に辞めました。
一方で続いたバイトもあったので、環境や適性が合えばADHDでも接客業ができるんだという自信にはなりましたね。
大人のADHDとは?子供とちがう所はあるのか
アメリカの精神医学会によって出版されたDSM-5という書籍には、様々な精神障害の診断基準が記されています。その中に大人のADHDの特徴についても詳しく書かれています。
- 子供のころ多動や衝動の特性があった人でも大人になると行動は落ち着いてくる場合が多い
- 思春期から大人にかけて内面的な落ち着きのなさに変わっていく傾向がある
- ADHDの症状は一人一人異なるので一くくりには出来ない
- ADHDの大人の約80%がうつや不安症を伴う可能性がある
- 診断されるかもと思って病院に訪れる大人は、自分のことを客観的にみているため子供の診断より正確に出る場合が多い
- アスペルガーの一部の特性とADHDが似ているため間違われることがある
ADHDは脳の神経伝達物質が定型発達の人とちがった伝わり方をすることが原因だといわれています。
脳の伝わり方の問題なので子供の時からADHDだと診断された人と大人になって診断された人のちがいは、単に診断された時期が早いか遅いかだけということになります。
大人になってからなってしまったのではなく、自分が子供の頃からすでにADHDだということに気づかなかっただけなんですね。
まあ程度が軽かったから大人になるまで気づかなかったという人も多いんだと思います。
成長するにしたがって、周りに構わず走り回っていたり騒いでいたりしていた子が大人しくなっても、実は心の中は常に落ち着かず穏やかでいられない子も少なくないようです。
大人でも心の衝動を抑えきれなくて、友達や上司と上手く付き合えないという悩みを抱えているADHDの人は目立たないけど大勢いるのではないでしょうか。
大人のADHD、特に女性のADHDについてはこちらの本が参考になります。
大人のADHD診断の流れ、費用
私がかかりつけの心療内科の主治医にいつもの薬をもらいに行くついでに、ADHDのチェックをさせてもらえないか?と話したら、すんなりいいですよ。と言われて待合室でチェックシートを渡されました。
紙は2枚あり、1枚目はADHD、2枚目はASDのチェックシートでした。
まさか娘と同じASDのチェックまでするなんて…と少し戸惑いましたが、ただアンケート形式で答えるだけの簡単な物だったので、記入して出しました。所要時間10分程度。
ADHD成人版のチェックシートはDSM-5の診断基準に基づいて作成されたもので、
- 不注意の9項目
- 多動性・衝動性の9項目
で構成されています。この診断基準に加えて、過去の経歴や他の疾患の可能性も想定しながら総合的にADHDかどうかが評価されます。
病院のとはちがいますが、ADHDの簡単な検査なら下のページからチェックできます。
費用は私の場合、自立支援医療が使えたので1割負担で300円程度。安すぎる。
一般の方でもADHDの検査は保険診療で3割負担で受けられるので、そこまで高額ではありません。
自分もADHDかも?と思う方は近所の心療内科や神経科、精神科に相談してみて下さいね。
診断が出た時の気持ちは…特に動じず
まさか娘と同じASDのチェックまでするなんて…と少し戸惑いましたが、ただアンケート形式で答えるだけの簡単な物だったので、記入して出しました。
結果は1ヶ月後の診察日に主治医から「ADHDでしたね」と告げられただけ。
だからこれから何をする?という話には全くならず、私も専業主婦で現在困ることはなかったのでコンサータを服用するなどの薬物治療はお断りしました。
またASDではないとのこと。ADHDのチェックと一緒にアスペルガーの傾向があるのかが見たかったみたいですね。
改めてADHDとはっきり言われて「ああやっぱりな」という開き直りというか、冷めた感想でしたが娘のADHDは私の遺伝なのかもしれないと思うと、申し訳ない気持ちになりました。
でも生んでしまったからには今さら後悔しても仕方がない。
私もこれまでの人生たくさん恥かいて、悔しい思いや悲しい思いも日本人の平均以上にはしてきたつもりです。
少なくとも「小学生の時って何やってたかな~楽しかったぐらいしか覚えてないな~」という能天気で幸せな夫よりは!!
娘のよき理解者としてサポートしていこう、二次障害が出る前に気づいてあげられる母親でいようと思います。娘に幸あれ!